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縄のび・縄ちぢみ

2020年1月9日「木曜日」更新の日記

2020-01-09の日記のIMAGE
「組のび」とは、登記簿上の土地面被より、実際の面積の方が広いことをいう。農地などにこういう例が多く、土地売買契約をするとき、登記簿上の面積による(公簿売買)か、実際の面積による(実測売買)かを明記しておかないと、後日トラブルの種となる。かつての太閤検地以来、農地の年貢は、田畑の品等を登録し、たとえば、上田1反につき何石の米の収穫があり、これの何割を納めろというように定められていたので、農民側は、田の面積をできるだけ少なく登録してもらい、年賀を少しでも軽減しようと努力した。縄のび率は、地方によって相当の差がある。「縄ちぢみ」というのは、これと反対で、実測をしてみたら、登記海の面積より実際の面積の方が狭いことをいう。この現象は、農地より山林でよくみられる。とくに、幕府直轄地であった天領の山林は、課税の対象にならないので、それを支配していた代官はその面報を広く申告した。自分の支配している山林が広ければ、それだけ偉そうな顔ができたからであろう。山林を買うときには注意しなければならない。以上は隣の土地と関係なく、細がのびたり、ちぢんだりする例であるが、一方がのびると隣がちぢむ例もある。たとえば、田の境界に桑が植えてあることが多い。田の手入れをするとき、自分の田の方に延びてきている桑の根を切ったりして傷めておく。それを繰り返す。張は根をいためられない方に、すなわち隣の田に根を延ばし動いていく。桑が動けば境界も動く。自分の田は広くなり、隣の田はそれだけ狭くなる。ほんのわずかだから、隣は気づかない。しかし、毎年これを繰り返せば、はかりしれないのが人間の執念である。信州に、「一代かかって天秤一本」という諺がある。天秤棒は5尺(1.5m)、一代かかればこれだけ境界を動かせるということである。

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