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破産手続における担保権消滅請求制度の特有の仕組み

2018年9月22日「土曜日」更新の日記

2018-09-22の日記のIMAGE
ここでいう「組入金」とは,破産手続における担保権消滅請求制度の特有の仕組みとして,当該不動産の任意売却価額から,一定の割合を破産財団に組み入れるという制度が用意されたことに由来する。これは破産者の資産が予め担保権者に把握され尽くされ,破産を申し立てても手続費用すら出ないという問題(「破産の破産」と呼ばれる)に対処すべく従来からなされてきた議論に手当てしたものである。これに対して担保権者の対抗手段は,「対抗的」担保権実行(破187条)と「買受けの中出」制度(破188条)である。前者が奏功すれば執行法上の最低売却価額制度によって目的不動産の評価に関する抵当権者の利害が守られ,かつ財団組入れが阻止される。後者は,管財人の提示する額が,抵当権者にとって,抵当権実行における予想競落価格よりも上だが任意売却価格よりも下である場合に用いられる。抵当権者は,管財人の提示する破産法186条1項2号の額(組入金を控除する前の売得金の額)の5%増し以上の額で当該不動産を買い受ける申出をすることができる。破産法187条の実行の申立てが買受け申出期間内になされない場合には,買受希望者(買受け申出をした担保権者または第三者)に買受け申出額で任意売却がなされたこととなり,これが売得金として裁判所に納付される。なお,民事再生手続および会社更生手続において抵当権者に認められる「価額決定の請求」手続という対抗手段は,破産手続では用意されていない。具体的な任意売却の成立していることを前提としてなされる破産手続における担保権消滅請求の申立ての下では,鑑定等で観念的な換価価値を算出することは実際上困難であって,合理性にも疑問があるから,とされている。

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