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介護施設はローリスクだがローリターン

2018年7月31日「火曜日」更新の日記

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超高齢社会を迎え、高齢者向け施設の需要が高いことは間違いありません。2006年の介護保険制度の改正により、施設サービスを行なうものとして「特別養護老人ホーム」、「介護老人保健施設」、「介護療養型医療施設」の三つを規定しています。また最近は、運営事業者も二極化傾向にあり、業者選定が難しくなってきています。さらに、いずれの施設も比較的広い土地が求められます。この土地活用の場合、ほとんどは事前に希望する介護事業者を見つけ、そのコンセプトに添った介護施設を建てて、建物を賃貸するケースになります。介護施設への賃貸事業は、ローリスクーローリターンといえます。しかし、賃貸契約は行政の指導で20年以上で、原則、中途解約もできませんので、土地オーナーにとっては安心できる契約になります。一方、建物の建設費はマンションやオフィスビルに比べて割高になります。事業者は、管理がしやすい平面構造か低層の建物を求めます。さらに、一般の建物には必要がない設備や仕様も整えなければなりません。耐震構造や、たとえ2階建てでもエレベーターの設置、階段や廊下の手すりは絶対条件です。しかも、建築コストに合った高い賃貸料は期待できないことが多いようです。しかし、オーナーにとっては、「社会貢献をしている」、「幸せな老後を過ごすお手伝いができている」といった満足感、プライドが持てますし、長期にわたって安定収入がはかれます。これは利回り計算には出てこない大きな付加価値といえます。ところで、介護施設を建築するにあたっては、できるだけ次のような点を契約内容に盛り込んで進めるようにしてください。?できるだけ建築協力金の金額を大きくする。?中途解約した場合、建築協力金の放棄や敷金を没収するなどの記載をしておく。?賃料の下落のない条文を設けておくこと。万が一、撤退される場合を想定して、コンバーションできるように設計図を確認しておくことも大切です。私たちが扱った例ですが、解約後コンバーションが可能なように、設計から携わりました。比較的近くに音大があることに目をつけて、音大生専用マンションにコンバーション可能な仕様にしたのです。たとえば、有料老人ホームなどは比較的お風呂場が大きく、防音性に富んでいるため、将来的に、この大きなお風呂場はピアノ練習場に使用変更できるなどと想定して建築しているのです。●その他のコンバーションについて①ロードサイド店舗交通量の多い幹線道路沿いなどでは、ロードサイド店舗を建築することも候補の一つになります・ロードサイド店舗とは、自動車で買い物をする層をターゲットに駐車場設備を充実させた商業施設のことをいい、ショッピングセンターやファミリーレストラン、ファストフード店などがこれにあたります。ロードサイド店舗を建設する場合には、入居テナントに建築費相当額の「建築協力金と敷金」を差し入れてもらうようにすることで、オーナーの負担を大きく減らすことが可能になります。ただし、賃貸借契約期問内でのテナントからの中途解約やテナント変更を申し入れられるケースもあるため、長期の採算性については慎重に検討する必要があります。特にフランチャイズの店舗などと契約する場合には、建物に独自の仕様があるため、中途解約や契約終了時には解体・再建築をせざるを得なくなることがあります。したがって、入居条件を決める際には、全額を建築協力金で行ない、中途撤退時には、敷金を没収したり、建築協力金の放棄や解体費相当分のペナルティーを課すなど、リスクを軽減する検討も必要になってきます。②医療モール医療モールとは、内科・眼科・整形外科など複数の診療所を1ヵ所に集めた医療施設のことで、医者にとっては、単独で開業するのと比較して初期投資を抑えることができるメリットがあり、患者も1カ所で複数の科目を受診できるという利便性があります。市場規模も拡大しており、2005年には1000億円を突破する市場になりました。また、年間で約70~100件の医療モールが開設されており、年率40%超の成長を遂げている分野であり、まさしく近年人気が出てきている利用形態です。ただし、医療モールの問題点としては、最近の傾向として、開業医を目指さず、大学病院の勤務医を選択する医者が増加していることが多くなってきたことから、最初からすべてテナントが埋まりにくいという点があります。そのため、6割程度の開業が決まると建設を着工し、その後徐々に埋めていくという対応をとる場合が多いのです。そして、建物完成後一年経過してもすべて埋まっていないという場合も多いものの、地域に対しての貢献という、金銭には変えられない自己のプライドを満足させる点では、介護施設の有効活用と同じかもしれません。③トランクルームトランクルームサービスとは、倉庫業法の許可を受けた倉庫業者が家財・衣類・文書などを保管するサービスです。トランクルームは倉庫に該当するため、建設する場合は用途地域制限に注意する必要があります。また、トランクルームは倉庫と異なり、「非商品」の保管を行なうのが特徴であり、低コストでできるため、土地の有効活用の手段としては、比較的有益であると考えられます。非商品の保管を行なうことから分譲マンションの隣などに作ってみてもよいでしょう。④戸建賃貸戸建賃貸はマンション投資などと比較すると、低コストでスタートできる不動産投資として、近年少しずつ注目されてきています。ただ、通常の戸建住宅との差別化も重要で、セキュリティの高さはもちろんのこと、耐熱性や遮音性などの機能面や、高いデザイン性を持った建物にすることなども重要なポイントになります。このように差別化を図ろうとしすぎると、コストが高くなり、利回りが低下してしまうことになります。このように、戸建賃貸を行なう場合、賃料の設定が難しいのです。また、一戸空いたときの負担がマンション投資などと比較して大きくなるため、長期の賃貸経営計画が立てにくいという難点もあります。

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