一人暮らしでインテリアのおしゃれな配置を伝授!

トップ > 平成30年7月> 27日

金利見通しと家賃収入が甘い見積りに要注意

2018年7月27日「金曜日」更新の日記

2018-07-27の日記のIMAGE
金利が変動金利なのか固定金利なのかの確認は絶対しなくてはいけません。収支計画で、借入金返済額の前提が変動金利なのに、低金利のままで算出している場合は要注意です。極端に高い金利を前提に収支計算をする必要はありませんが、金利の上昇を想定した計画が大切です。家賃収入も築年数に比例した家賃の値下げと空室率の増加を、どこまで見込んでいるかです。私たちは経過年数にしたがって空室率を厳しく考慮します。さらに、退居したあとのリニューアルエ事の期間、次の入居者募集の期間を考えれば、すぐに2~3カ月は経ってしまいます。もし合計10部屋のアパートで年間3部屋で入れ替えがあれば、1部屋が6~9ヵ月間は空室になったことと同じです。たとえ新築であっても、常に満室ということは考えられないのです。しかしながら、残念なことに借入金の返済期間中、新築時の家賃のままでの収支計算書も散見します。それだけで、その会社の信頼性を疑わざるを得ません。【あまりにもずさんな収支計画書の具体例】賃貸マンション建設をやめた例を紹介しましょう。建築のための総投資額は約1億6300万円で、全額借り入れで収支計画書がつくられていました。私たちは、その収支計画書を見て、あまりに甘い見通しが書かれていることに驚きました。もし、計画書通りの経営ができれば、土地オーナーにとって実に魅力的な投資になります。しかし、私たちは「この計画書のように賃貸マンション経営はできません」と結論を出して、「いまは土地活用は考えないほうが資産を守ることになります」とアドバイスしました。どこが甘い見通しだったのかを説明していきましょう。●建設費も割高、空室率も非常識な数字を設定総事業費は建設費と外構費および諸経費を合わせて1億6300万円です。うち建物の建設費は1億4000万円で延べ床面積は一四五坪ですから、坪当たり単価は約96万5000円になります。鉄筋コンクリート造の集合賃貸住宅としては明らかに高いといえます。これは金融機関が紹介してきた一社だけに見積りを依頼したためです。建設費については、別のいくつかの建設会社にも見積もりを依頼すれば、よりよい条件が出る可能性が高まります。競争の原理が働くからです。次に、賃貸収入の見通しです。計画書では1LDKが8室で、1室当たり月13万5000円の家賃を見込んでいます。この物件は、東京郊外のJRの最寄り駅より徒歩15分のところに位置しておりますが、同じ駅から徒歩四分のところにある賃貸マンションの家賃相場が月13万5000円ですから、高めに設定していることになります。おそらく、値下げをしなければ空室だらけになってしまうことは目に見えています。それ以上に大きな問題は、返済が終了するまでの30年間、家賃を月13万5000円のままで設定していることです。これは常識的に考えられません。賃貸マンションは築15年が経過すると、空室リスクも高くなるはずです。空室リスクを下げるためには、家賃を下げることはやむを得ません。にもかかわらず、30年間、新築当初の家賃をとり続けることができる、という内容の収支レポートでした。また、空室リスクも「空室率考慮」として、年間家賃収入を満室状態の1458万円に対して1385万円で設定しています。空室率5%です。これも空室リスクを低く見すぎています。

このページの先頭へ