維持するだけでもコストがかかる

: ある大手ハウジングメーカーの統計では、モデルハウス来場者百人のうち、敷地調査を依頼するのが四分の一の二十五人といいます。そのうちの約半数が設計を依頼し、さらに見積もりまで依頼するのはその半数。そして成約に至るのは全体の三人に過ぎないといいます。この三％のためにモデルハウスが存在しているといって建てればいいものではありません。モデルハウスは建てたり、維持するだけでもコストがかかるからです。勝とうとする涙ぐましい営業努力といえますが、各メーカとも自分のところの利益率を落としてまでサービスしているわけではありません。これらのサービス料はしっかりと価格のなかに転化されているのです。住宅展示場やモデルハウスの経費、そして一見「ただ」と思わせるサービス費、これらの費用はだれが負担するのでしょうか。答えは、もちろん、マイホームを建てる消費者から出ていることになるのです。「えっ、見積書を見たけど、そんな明細はどこにもなかった」なんていう人がいるかもしれませんが、大手を振ってそんなことを書くところはありません。