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独立独歩でやっていくことのむずかしさ

2018年5月31日「木曜日」更新の日記

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 工法の合理化・高度化を行なうだけで、工務店・ビルダーの問題がすべて解決するわけではありません。  戦後の着工戸数の激増によって、住宅業界には仕事があふれ、さまざまな人たちが住宅づくりに参入してきました。なかには、金儲けの手段としてしか住宅づくりをとらえず、ろくに建て方の勉強もしていないような人たちも少なくなかったのです。そういった不誠実な業者の手によって、地震で簡単に倒壊する住宅や、生活に支障をきたすような欠陥が発生する住宅が次々に建てられてきました。  しかも、業者の善し悪しは、外側からではなかなか判断することがむずかしいものです。 真面目に取り組んでいる業者も、手抜き工事を日常的に行なっているような業者も、消費者の目には同じようにしか映りません。一部の不誠実な業者によって工務店・ビルダー全体のイメージが損なわれ、お客さまの信頼を得ることがむずかしくなったことも事実です。  ところが、昔ながらの職人気質を持った質の高い仕事をしてきた工務店ほど、不言実行を地でいく「口下手な」傾向が多分に見られ、わかりやすく説明するための行動や資料づくりが大の苦手です。私たちが公的な認定を取得したのも、自分たちが安心して家づくりを任せられるビルダーであることをお客さまに知らせたかったからです。たとえ公的な認定を受けたとしても、認定されたことの意味やその内容、そして結局どんな家が建つのか ということをうまく説明できなければ、お客さまの不安を解消することはできません。これからは自分たちの活動を積極的に発信する行動が重要なのです。  そして、近年になって浮上してきた中小工務店に対する大きな不安材料として、頼んだ住宅建設業者の倒産という問題があります。景気の低迷による着工戸数の減少、金融機関の貸し渋りなどによって、多くの工務店・ビルダーの経営は苦しくなってきています。全国規模の展開をしている大手住宅メーカーのなかにすら、経営再建のため銀行の支援を受けている企業があるという状況です。  業者の倒産によってお金も家も失ってしまった人たちが全国各地にいるだろうことも容易に想像できます。そんな状況では、家づくりを任せるなら倒産の心配のないところに頼もう、と考えるのも当然でしょう。  工務店・ビルダーの手によって高性能・低価格の住宅が建てられるようになったことは大きな進歩ですが、同時に、工務店・ビルダーが独立独歩でやっていくにはいささか厳しい要素・状況があることも否めない事実なのです。

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