一人暮らしでインテリアのおしゃれな配置を伝授!

トップ > 平成30年5月> 28日

健康住宅への配慮

2018年5月28日「月曜日」更新の日記

2018-05-28の日記のIMAGE
 自然素材のみを使って気密性の低い住宅が建てられていた時代には考えられなかった、シックハウス症候群と呼ばれる現象が大きな被害を生んでいます。新築・改築した家が住み手の健康を損なうという、このきわめて現代的な問題を解決すべく、最近の住宅業界では「健康住宅」という言葉がキーワードになりつつありますが、そうした言葉をあらためて掲げなければいけないこと自体、私たち住宅づくりに携わる人間にとっては心苦しいことです。本来、健康住宅であることは、目標ではなく、前提でなければならないはずです。  シックハウス症候群を引き起こす要素は次の3つです。 ①合板や壁紙の接着剤として使われるホルムアルデヒドや可塑剤などの化学物質 ②住宅の高気密化にともなう室内の高湿度化によって発生しやすくなったカビやダニ ③それらによって汚染された空気が換気不足から室内に滞留すること  私は低価格の普及住宅をつくることを目標にしてきましたから、合板の存在を否定したくはありません。高級なムク材だけで家をつくろうというのは、大多数の消費者にとって絵に描いたモチで、高嶺の花とも思えるからです。ですから私は、できるかぎり化学物質の放出量の少ない(もしくはゼロの)資材や接着剤を選んで施工を行なうことで、健康住宅をつくっていきたいと考えています。JAS(日本農林規格)では、合板などに対してホルムアルデヒドの放散量が少ない順にF1・F2・F3の等級をつけていますが、業界全体の気運が高まっていますから、今後素材の研究が進んで、安価で使いやすいF1・F2の資材は増えていくだろうと思います。  資材選びだけでなく、現実にどれだけの化学物質が滞留しているのかを測定することも重要です。アキュラホームでは、WHO(世界保健機関)が定めた室内空気中のホルムアルデヒドの室内濃度指針値である0.08ppmを下回る、0.04ppmを目標値にして測定を行なっています。  また実際に、専門の計測業者に依頼して、私たちのモデルハウスのホルムアルデヒド室内濃度を調査してもらったところ、基準値を大幅に下回る0.01ppm以下であるという結果が出ました。健康住宅研究会の「設計・施エガイドライン」でも、厳密な測定結果 が得られると紹介されているパッシブ法(AHMT吸光光度法)による測定でこの結果が出たことは、私たちにとっても大きな自信になりました。  資材が加工されてからの期間、施工中の換気の状況、施工後から入居までの時間などによって化学物質の濃度は変化しますから、実際に測定してみることは欠かせません。資材選びや施工の段階で十分な配慮は行なっていますが、もし許容量を上回っているような場合があれば、原因を追及して改善するなどの対策を講じることは言うまでもありません。    木造住宅は施工精度の向上もあって高気密化しています。ただそうした高気密化住宅の換気不足は高湿度化を招くおそれがあり、そのことによってカビやダニが発生しやすくなります。カビやダニはシックハウス症候群による、ぜんそくやアレルギーの原因となるので現代の住宅においては換気が非常に大切になるのです。それゆえ現代の住宅状況においては、換気を習慣化させるという住まい手の意識改革も快適な暮らしを維持するための重要な要素となってきます。

このページの先頭へ