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メーターモジュールで広くなる

2018年5月19日「土曜日」更新の日記

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 メーターモジュールの採用について説明することにします。  住宅業界は不思議な業界で、世間の大勢がメートル法に変わっているにもかかわらず、いまだに尺貫法が生き残っている世界です。一間(6尺=約182センチ)×一間の面積である「坪」という単位で価格設定を行なうのもそのためですが、問題は、基本となる木材の長さにありました。  私が大工修業を始めた関東では、3尺(約91センチ)が基本単位として使われています。部屋の広さはその倍数で決めるのが基本になっていますから、91センチ、182センチ、273センチ、364センチ・・・というのが部屋の一辺の長さになります。ところが、日本で使用されている木材の約7割は輸入材です。当然、輸入材はメートル法で切り揃えられていて、標準の長さは44メートルです。これを尺貫法の3尺を基本にして切ると、たとえば2間(約364センチ)の柱にする場合では、約36センチも切り捨てなければなりません。  コスト面において、これは見逃すことのできないムダです。家一棟から出る廃材の量は膨大ですし、これを捨てるためにかかる処分費用もバカになりません。それ以上に、貴重な資源である木材をただ捨てて燃やしてしまうというのは、およそ社会の趨勢に反した行為です。省エネルギー性の高さを必要な住宅性能として挙げておきながら、もしそんなことをしたとしたら、自己矛盾もいいところでしょう。そこで私は、住宅づくりでもメートル法を使うことにしました。これがメーターモジュールです(モジュールとは基本単位という意味です)。  そのおかげで、同じ材料のままで家を広くつくれるようになりました。たとえば、273センチX364センチだった6畳間は、300センチ×400センチとなって、約2割も広くなります。また、従来3尺(約91センチ)でつくられていたトイレの幅は、日本人の体格の向上によって狭くなってきていましたが、100センチでつくればぴったりです。天井の高さも廊下や階段の幅も、数センチから数十センチ拡張することができますから、トータルで見ると従来の家よりも相当広くつくることができるようになったのです。

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