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「広さ」をつくる木造3階建て

2018年5月18日「金曜日」更新の日記

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 快適な家の要素は木造であることだけではありません。かつて日本の家はすべて木造だったわけで、木造であるかどうかが問題にされるようになったのは、鉄骨やコンクリートの家が増え始めた高度経済成長時代以降のことにすぎません。かつては、家の快適さをはかる物差しとして、まず家の広さが挙げられるのが一般的でした。  狹い狹いと言われ続けてきた日本の家ですが、持ち家の床面積はわずかながらも増えてきています。財団法人住宅産業サービスがまとめた「住宅産業ハンドブック」によれば、一戸建ての持ち家の平均床面積は、1976年が108平方メートル、1996年が140.8平方メートルと、20年で約1.3倍になっています。ですが、この数字はあくまでも全国平均で、首都圏に限ればまだまだ快適と言えるだけの広さに達していないのが現状です。  かといって、これから先、広い土地が簡単に取得できるような状況がやってくるとは考えにくいですし、使える敷地が狭いという現実も変えようがありません。そこで私は、解決策として、お客さまに木造3階建て住宅を勧めることと、これまでの尺モジュールにかえてメーターモジュールを採用することを行なっています。  1987年の建築基準法の改正によって都市部での建設が認められるようになって以来、木造3階建て住宅の人気は高まっています。1994年には鉄骨系3階建ての戸数を追い越し、1996年には年間約3万9000戸が建てられるまでになりました。狭い敷地をより有効に利用できるのですから、この人気は当然のことでしょう。  なかには、重心が高くなることで倒壊しやすくなるのではないかと懸念される方もいますが、厳密な構造計算のもとで確実な施工を行なえば心配は無用です。世界有数の地震国である日本と一概に比較することはできませんが、アメリカやカナダでは、木造4階~5階建てのコンドミニアム(マンション)もよく見かけます。  実は、現在私が住んでいるのも木造3階建ての家です。わざわざ狭小地を買い求めて、木造3階建ての快適性を確かめようと建てた実験住宅で、私と家族がいわば被験者のようなかたちで暮らしています。幸い、今のところ住みごこちは申し分なく、私も家族も満足しています。  余談になりますが、お客さまに自信を持って商品を勧められるようになるには、まず自分が住んでみて快適であることを確信するのがいちばんだと私は考えています。ごく普通の神経を持っている人間ならば、自分が住みにくいと感じる家をお客さまに勧められるわけがないのです。ですが、住宅業界に限らず、自分なら絶対に買わないという商品を消費者に売るメーカーや業者が多いように感じられるのは気のせいでしょうか。

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