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標準化という考え方

2018年5月14日「月曜日」更新の日記

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 コストダウンの方策には、それぞれに細かな違いはあるものの、ひとつの共通した考え方がペースにあると言っていいと思います。その考え方が「標準化」です。  今までの工務店は、家づくりを「請け負う」という姿勢で仕事をしてきました。住宅の性能に関してシロウトであるはずのお客さまが「ここをこうしたい」と言えば、それが理に適っているかどうかに関係なく、「わかりました」と言ってしまうような姿勢です。木造軸組工法の利点が自由度の高さにあることは間違いありませんが、家づくりのプロとして、長年の研究や理論に基づいた提案をお客さまにしていこうという気構えや努力が、工務店には欠けていたと言えるのではないでしょうか。  その結果が、雪だるま式に価格が膨れ上がった住宅であり、地震に弱い構造の住宅であったのだと私は思います。  高性能・低価格の家を実現するためには、私たち工務店・ビルダーの側が研究を重ね、自信を持ってお客さまに提案できる「標準」をつくる必要があります。大手住宅メーカーの企画型プレハブ住宅を一方的に批判して、「請け負う」姿勢のままで家づくりを行なっていては、いつまでたっても住宅のコストダウンは進みません。  問題なのは、標準化された商品の設計自由度です。  私が家づくりを行なっている埼玉県は狭小地や変形地が多く、企画型プレハブ住宅の対応力では建てられないケースがよくあります。また、標準化と称して「画一的な」住宅を売ることは、地域特性やお客さまの要望を満たすという工務店・ビルダーの住宅の良さを失うことで、私たちの選択肢としては問題外です。  そこで、設計にはできるだけ自由度を持たせたままで、施工の方法を合理化して標準化し、使用する資材・部品を統一して標準化することなどによって、コストダウンと性能向上を求めてきました。  今の世の中では、標準化されていない商品を探すほうがむずかしくなっています。たとえば、一般の人で、車を自分の要望どおりにオーダーメイドしようとする人はいないでしょう。そんなことをしたら、どれだけお金がかかるかわからないからです。ところが、家の場合には、何から何まで完全にオーダーメイドしたいと考えるお客さまが多く、工務店側もそういうものだと思っているという状況があります。日本の住宅の価格がなかなか安くならない背景には、消費者と工務店とに共通した「注文住宅に対する大きな誤解」があるのです。

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