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フランチャイズ・チェーンの達成されない理想

2018年5月3日「木曜日」更新の日記

2018-05-03の日記のIMAGE
 近年、ちょうど町の小売商店がコンビニのFC(フランチャイズ・チェーン)に加盟するのと同じように、中小の工務店が住宅FCに加盟し、その旗印の下で家づくりを行なうケースが増えています。  住宅FCでは、中小の工務店が苦手としている商品開発・技術開発、大規模な宣伝や効果的な営業方法の開発などをFC本部が担当し、実際の契約から施工については、地域の事情に通じている加盟工務店が行ないます。つまり、大手住宅メーカーの強みと地域の工務店の強みとを合わせたシステムというわけです。  かつては、アキュラホームも真剣にFC加盟を考え、実行したことがありました。住宅FCのシステムが、理想に近い住宅供給のかたちではないかと考えたからです。しかし、現実のFCの姿を知るにつれてその思いは薄らぎ、独立独歩でやっていく道を選択することになりました。  結局のところ、ほとんどの住宅FCは、長所も短所も大手住宅メーカーのそれと非常に似通ってしまっています。  たとえば、本部が技術的に優れた商品を提供しても、加盟した工務店は、その商品を地域の特性やお客さまの要望に合わせて変化させることができません。結局、画一的な規格型住宅を販売・施工することになります。また、資材メーカーが本部となっているFCでは、単なる資材の卸問屋的な機能しか持っていないこともあるようです。  加えて、住宅FCは低価格を売りにすることが多いのですが、本部に支払うロイヤリティの負担が重くのしかかり、健全な企業活動をさまたげて量販体質へと導きがちです。  大手住宅メーカーの強みと地域の工務店の強みを活かすという理想が達成できている住宅FCは、私の見るところほんの数社しかありません。今後もFCに加盟しようという地方の工務店・ビルダーは増えていくでしょうが、消費者にとっては、量販体質という意味で大手住宅メーカーを選んでも大差のない業者という存在になっていくような気がします。

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