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さっぱり聞かなくなった「スケルトン・インフィル」

2018年1月18日「木曜日」更新の日記

2018-01-18の日記のIMAGE
 いまだにマイホームを「一生もの」とか「永住」と考えている人がいる一因として、日本の住宅は寿命がものすごく短く、欧米並みに長持ちする家をつくるべきだという議論もあるように思います。  国土交通省が発表していた試算では、日本の住宅は30年程度で建て替えられており、50年とか70年とか言われる欧米に比べると確かに短く感じます。  でも、この数値は簡単に言えば、それぞれの国にある住宅ストックを年間の新築件数で割ったものです。住宅ストックが1000万戸の国で年間に新築される住宅が10万戸なら住宅の寿命は100年、年間50万戸なら住宅の寿命は20年ということです。つまり、その国の住宅が物理的に短命かどうかとは直接の関係はありません。  日本の場合、第2次世界大戦で都市部の住宅の多くが失われ、さらに戦後の都市化によって大量の新築住宅がつくられてきたことが大きく影響していると言われます。  これから少子高齢化が進み、新築件数が減っていけば、自然にデータ上の「寿命」は延びていくでしょう。  その証拠に一時、「スケルトン・インフィル」と言われる住宅をいろいろな不動産会社が手がけていましたが、今ではさっぱり聞かなくなりました。  「スケルトン」とは建物の構造躯体、「インフィル」とは内装や設備のことです。スケルトンを丈夫につくり、イッフィルはメンテナンスなどがしやすく、将来、生活スタイルが変わったりしたらリフォームが簡単にできるようにし、長く使い続けられる住宅をつくろうという考え方です。  しかし、建築コストがどうしても高くなります。これまでの住宅の構造や仕様でも、基本的にそれほど寿命が短いわけではありません。きちんと建物や設備のメンテナンスを行うほうがよほど大事ですし、それで十分です。  何より、50年、100年先まで住み続けられるといっても実感がわきません。30代とか40代でマイホームを買って、そこから50年、100年そのまま本人が住み続けることはまずありえません。  50年、100年先より、5年先、10年先といったもう少し短いスパンでマイホームをどうするか考えるほうが生活実感に合っています。

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