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殺菌・漂白・消臭剤殺菌効果は疑問

2017年12月31日「日曜日」更新の日記

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 ふきん、まな板、食器などの殺菌・漂白・消臭用には、塩素系漂白剤が主流です。東京都大田区立生活センターが行ったアンケートでは、ふきんの殺菌消毒方法として、直射日光に当てる人43.7%、煮沸する人7.2%に対し、塩素系漂白剤を使うと答えた人は43.4%を占めていました(1992年)。  塩素系漂白剤の主成分の次亜塩素酸ナトリウムは、酸性になると分解して有毒な塩素ガスを発生します。そこで、アルカリ性に保つために、カセイソーダや水酸化ナトリウムなどが加えられているので強い皮膚浸食作用があります。ひびわれ、水泡、化学やけどの原因になります。 また、熱い湯に入れると塩素ガスを発生して粘膜を刺激し、激しいせきやしわがれ声、のどの灼熱感などを引き起こします。  漂白剤による殺菌効果をふきんでテストした結果を見ると、必ずしも殺菌効果があるとはいえません。むしろ、石けんで洗って乾燥させたり煮沸するほうが有効でした。  89年ごろから、塩素系漂白剤の容器に「まぜるな危険」の注意表示がつけられるようになりました。これは、徳島県の主婦が塩素系漂白剤と酸性洗 浄剤を混ぜて使用したために、発生した有毒な塩素ガスを吸いこんで死亡するという痛ましい事件(87年)をはじめ、事故が続いた結果です。90年か ら家庭用品品質表示法で、「まぜるな危険」の表示を義務づけることが決まりました。  しかし、いまでも事故は後を絶ちません。事故には2つのケースがあります。  一つは、混ぜたら危険だと知ってはいても、よりきれいに洗浄したいため、自分さえ充分注意していれば大丈夫だと考えて混ぜて使用する場合です。もう一つは、意図して混ぜなくても、同じ場所で使用したので混ざってしまう場合です。  たとえば潰け物桶のにおいをとるために塩素系漂白剤を使えば、漬け物からの酸と反応し、塩素ガスの発生が考えられます。また、兵庫県立生活科学研究所の報告によれば、塩素系漂白剤は混ぜなくても、液の濃度や汚れ具合によって塩素ガスを発生します。東京消防庁消防科学研究所の調査では、塩素系の洗浄剤・漂白剤の原液をお湯に入れると塩素ガスが発生するので、混ぜなくても中毒の危険性があることがわかっています。単独使用による事故発生件数は、混合・併用による事故とほぼ同件数です。  使用中に誤って手がすべり、顔にかかった愛知県の女性は、約2ヵ月後からまつ毛が白くなり、目のまわりも最初は目立たなかったのに徐々に脱色し、6ヵ月たっても脱色部分は変わらなかったそうです。長時間使用して塩素ガスを少しずつ吸いつづけることから、慢性呼吸器障害や化学物質過敏症の原因にもなります。  さらに、塩素系漂白剤は、汚れといっしょになるとトリハロメタンをつくります。トリハロメタンは、水道水に含まれる発ガン物質として問題になっています。  塩素系以外に酸素系の漂白剤も市販されています。液体タイプと顆粒タイプがあり、どちらも発生する酸素が効果を発揮するものです。塩素系に比べ て効きめが弱い印象がありますが、40度くらいのお湯でゆっくりつけ置きすると、よく効きます。  殺菌・防カビ対策については、石けんでていねいに洗って乾燥させるだけで充分ですが、必要なら薬局で売っている消毒用エタノールをスプレーするのも効果的です。エタノールは、生ごみの消臭、切り花を長持ちさせるための水揚げなど、広く利用できます。ただし、火気に注意してください。

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