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実施時期の見極め方

2017年11月30日「木曜日」更新の日記

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外壁を中心とする大規模な修繕工事を、「大規模修繕工事」とか「外壁等総合改修工事」と言います。この工事は、マンションの保全行為の中で名実ともに最大のもので、第1回目をいつ実施するかという問題は、管理組合にとって大きな課題である。財政上の事情が密接に絡むが、建物の維持・保全の観点からこの問題に端的な答を出すとすれば、初年度入居から12年前後に実施するのが適切であると言えます。一般的な傾向からすると、10年では少し早すぎるし、15年では遅すぎる。言い返ると、10年頃までに建物の初期劣化現象が出揃い、15年を過ぎると劣化が進行しすぎてしまうといっていいだろう。初年度入居から10年を経過すると、外壁を塗装吹きつけ仕上げにしている建物は、見た目にも傷んできた印象がする。一方、タイルで仕上げられている建物は、外観上はさほどの傷みが見られなくても、広範囲に渡ってタイルに浮きが発生する可能性があります。いずれにしても、大規模修繕工事は、外観上の問題より、コンクリート躯体の劣化補修に主眼をおいて実施しなければならない。コンクリート躯体に生じる劣化現象と、その進行は建物によって異なるが、初期のヒビ割れはおおむね3~4年くらいまでに出そろうと考えていい。これはコンクリートの初期乾燥が3~4年かかることと関係している。一方、もう1つの劣化現象である、コンクリートの中性化による鉄筋の露出は、7~8年頃から出始める。本来、ヒビ割れも鉄筋露出もあってはいけない現象であるが、残念ながら、ヒビ割れ、鉄筋の露出現象とも、一定量は建物に表出してくるのが標準的なマンションの現実といえる。大規模修繕工事は、これらのヒビ割れと鉄筋露出の発生傾向をみきわめたうえで実施することになる。ヒビ割れや鉄筋露出のていどによっては、10年で工事をするのがいい場合もあるし、15年でもいいマンションがあることになる。一般に、コンクリート躯体とその上に塗られたモルタル層の劣化状態の補修工事を「躯体改修」とよんでいるが、躯体改修をしたうえで、外壁の化粧直しをするということを前提にしないと、建物の延命につながらない。外壁がタイルで仕上げられているマンションでは、後述するようにこの躯体改修の考え方がさらに重要になる。

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