一人暮らしでインテリアのおしゃれな配置を伝授!

トップ > 平成29年11月> 4日

強度と中性化をチェックする

2017年11月4日「土曜日」更新の日記

2017-11-04の日記のIMAGE
異常なヒビ割れや白華などの劣化現象が認められたら、建物の強度と中性化を調べておく必要がある。これらの現象は、コンクリートの品質に問題があることを示すシグナルであり、コンクリートの品質は一般に、強度と中性化によって把握出来るからである。建物の強度はコアを採取してチェックするが、その手順は以下の通りである。①コアを採取する場所(外壁、床、基礎など)を決める。この場合、建築専門家の助言を必要とする。この時、信頼のおける試験機関に強度試験の依頼手続きをしておく。②鉄筋探査計を用いて鉄筋位置を調べた後に、コアを採取する位置を決める。ボーリング業者によっては、この作業も行っているので、自前に確認しておくと良い。③コアボーリング業者に依頼して、コアを採取する。④コアを採取した直後に、フェノールフタレイン溶液を吹きつけて中性化深さを測定する。⑤湿布でコアを被覆して段ボール箱に収納し、試験機関に送付する。このさい、強度とともに中性化試験も依頼する。⑤これらの試験結果は、マンションの建物の品質を示す重要な文書となることを認識しておく必要がある。⑦コアを採取した後の手直し工事の手配をしておく。コアを採取した直後の処置としては、市販のプラスチック製のふた(エッジつきで押込んで使用する)を用意しておくとスムーズに事が進みます。採取した後の空洞部分には、モルタルを充填しておけばいい。この様な処置については、管理会社の協力のもとに進めるのが望ましい。なお、コアを採取するとき、「建物を傷めるのでは」と懸念する区分所有者もいますが、全く心配には及ばない。採取するコアは、一般に直径が一〇センチ(場合によっては七・五センチ)程度の円柱体である。この程度のコンクリートを切り取っても、建物の躯体を傷めることはない。傷められるのは、その部分の仕上げ材または内装材であるが、これは後で補修すればいい。建物のコンクリートに、大きいヒビ割れや白華などの異常な現象が現れるのは、建物内部に隠れた欠陥、つまり瑕疵が存在するからであります。瑕疵は、基礎などの外部要因によるケースもあるが、最も一般的なものはコンクリート内部に潜んでいる。原因をつきとめなくても、ヒビ割れ補修のみを行うことにより、当面はしのぐ事が出来るが、再び別の箇所にヒビ割れが出てくる恐れがある。発熱を訴える患者に対して、原因もつきとめずに解熱剤を投与する医師はいない。コアを採取して、建物のコンクリートの強度が設計値を満たしているのか否かをチェックしなければなりません。コアを採取して得られる情報は、強度のみではない。同時に中性化速度もチェックする事が出来る。近ごろは、強度が設計値をぎりぎり満たしていても、中性化が異常に速く進行しているマンションが目立ちます。この様なマンションでは、メンテナンスをしっかり行わないと建物の劣化は急速に進んでしまいます。採取したコアをチェックすると、どのような材料が用いられたか、水を多く加えたコンクリートであるか、などの情報も得られる。これらの情報は、一連の異常な現象を解明するのに役立つ。築一五年を経た八四戸の横浜市のDマンションでは、過ごしているうちに天井や床が平らでないことに気がついた。床をボールが転がり、横縞の壁紙を張ると、天井に接した部分の中心の縞がなくなったりした。たまたま、管理組合が長期修繕計画を造るために建物の診断を外部の専門家グループに依頼した際に、床がたわんでいると指摘された。原因は、床の厚さが設計よりも小さかったから。床厚が設計よりも小さい例は、意外に多数。床厚や壁厚を非破壊検査でチェックする方法が実用化されています。X線透過撮影法と呼ばれている方法である。厚さが二〇センチ以下の場合の測定誤差はニミリ程度である。測定に要する時間は一ヵ所あたり一時間程度、測定自体の費用は約五万円である。内部空洞や鉄筋などの埋設物の位置も、X線透過撮影法によってチェックする事が出来る。

このページの先頭へ