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健康で文化的な郊外住宅とは

2017年7月16日「日曜日」更新の日記

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家を作る側としては、この一軒のお客のご機嫌を損なわなければいいのだから、この一人の客のためにエネルギーをつぎ込んで、その人の言うがままに建てるということになる。だから、町並みのバランスなどとは関係なく、家を作ることになる。「私は赤い屋根がいいわ」とお施主様(この世界では、建て主のことをこう呼ぶ。いかにもお仕事頂いてますという感覚が出ている)の奥様が言えば、「はいはい」と赤い屋根の家を作る。  昔ならば、大工の親方が「そんなことを言うけれどこの町では赤は合わネーよ、奥さんそれは駄目ですよ」と言って抑えたのが、今やそんな全体を見るという視野は建設する人にも消えてしまっている。  隣の家とはまったく無関係に作られるから、裏の家にわが家の影が落ちようと、つまり日照を奪おうと、隣の家の玄関の前に自分の家の便所を作ってしまうとか、隣の家の窓が覗けるような位置に窓を作ってしまうとか、隣の寝室の真下にわが家のクーラーの屋外器を置いて夜中中回すなど気にもとめない。 こうして、住宅地の環境は、周辺との関係を失ってどんどん悪くなっていく。ヨーロッパや昔の日本では、隣近所の家とのバランスを取りながら自分の家を作ってきた。ところが、今は、隣や近所の家などまったく関係ない。そのため、日本の郊外住宅地は、アメリカの郊外にあるような健康で文化的な郊外住宅とは、およそかけ離れた、猥雑な郊外住宅地となってしまっているのだ。

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