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ヨーロッパは公営住宅がメイン

2017年7月10日「月曜日」更新の日記

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 この日本に比べて、ヨーロッパはどうか。たとえばイギリスではチャーチル首相が、終戦直後、公営住宅法を議会に提出する。「家なくして市民なし」という有名な提案理由演説をしているように、住宅政策を戦後の復興の最重点政策にしている。戦勝国であったにもかかわらず、ロンドン等ドイツ軍の空襲を受けて大きな被害を蒙っていたイギリスでは焼け出された市民のために、いかにたくさん家を作るかをまず政府が政策として掲げる。 しかもその住宅は、緊急間に合わせ用のバラック建築などでは決してない。それは「人間の尊厳を保ちうる住宅と、余暇の時間を活用できる空間を持った」住宅でなくてはならない、とうたわれていたのだ。  「人間の尊厳を保ちうる住宅」とは、雨漏りがするような粗末なものでなく、壁が厚くプライバシーがきちんと守れる個室が用意され、暖房や給湯等の設備のあるちゃんとした家でなくてはならないという意味で、なおかつ「余暇の時間を活用できる空間」という公園等のオープンスペースや緑の空間を住居の近所に作らなくてはいけないとまで言っているのだ。  こうした公営住宅建設は、戦後のヨーロッパ諸国に多かれ少なかれ共通していた。イギリスだけでなく、フランスや敗戦国ドイツやイタリアなどすべての国の戦後の復興の重点政策であった。だから、ヨーロッパの戦後の第2次産業の復興は遅れたし、その部分の資金を産業復興に回した日本では急速な産業だけの復興があった。日本の代議士が55年頃ドイツの視察でクルップなどの戦前のドイツの基幹工場などが依然廃墟であるのを見て「ドイツの復興は遅い、日本を見習え」と言った有名な話がある。

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