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賃料を値上げするには

2017年5月7日「日曜日」更新の日記

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借主と貸主とで土地、建物の賃貸借契約をなすときには賃料の額も定めています。しかし、公租公課、物価、地価は年々上昇しますので、それに応じて賃料の値上げが必要となります。賃料は貸主と借主とで合意できれば自由に定められますので、その値上げも両者が合意すれば自由に定められます。しかし、借主は貨料が少しでも安ければその方がよいのですし、貸主は賃料を少しでも高くと望むのは当然で、賃料の額は双方の利害が真向から対立する事柄です。そのため、合意ができない場合も少なくありません。実際、借地・借家関係のトラブルの多くが賃料に関する問題です。両者間で賃料の値上げの合意ができない場合はどうなるのでしょうか。「公租公課の増減・その他の経済事情の変動・類似の土地建物の賃料と比較しての不相当等」という客観的状況が生ずれば、貸主には値上げ請求権が認められています(借地借家法11条・32条)。この請求が相手方に通知されれば正当と認められる範囲で値上げの効力が生じますが、借主は裁判において値上げが正当と確定されるまでは相当と認める額(例えば、従前の賃料額や相当と思う程度に増額した賃料)を支払えばよいことになっています。つまり、貸主が一方的に確定的に値上げをすることはできないのです。たとえ賃貸借契約書に、貸主が借主の意思に関わりなく賃料を確定的に増額できると明記してあっても、その特約は借主に一方的に不利になるものとして無効です。それでは、貸主が一方的な賃料の値上げを要求し、それに満たない額の賃料を受け取らないという態度にでたら、借主としてはどうしたらよいのでしょうか。貸主が受け取ってくれない以上、貸主の要求に応じる他ないといって泣く泣く値上げに応じる借主がいますが、その必要はありません。かといって「相手が受け取らないのだから支払わなくてもよいだろう」と考えて支払いをやめてもいけません。このようなことをすると、賃料の不払いで貸主から契約を解除されてしまう恐れがあるからです。借主は要求された賃料の額にかかわりなく、借主が相当と思う賃料を法務局に供託すればよいのです。この供託により借主は賃料を支払ったと同じ法的効果があり、借主は貨料不払いの責任から逃れられ、貸主から契約の解除などの主張をされる心配はなくなります。

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